英文は意図的にnuanceを変えて訳せる

[英語の現場からレポート]
2016年4月号の記事より引用

Hiragana TimesはApril Issueから“Casual Expressions”シリーズが始まりました。
日本語では、目上の人や見知らぬ人と友達同士での会話では話し方が違います。

“Shall we go to a movie tomorrow?”は、教科書などに掲載される標準的な丁寧な会話では、「明日、映画に行きませんか」のように訳されます。しかし友達同士の会話では、「明日、映画に行かない?」のように砕けた表現をします。日本語学習者は、友達にも教科書的な話し方をするので日本人には違和感があります。

日本語にはたくさんの語彙、さまざまな表現があります。「明日、映画行く?」「明日、映画行こうか」「明日、映画に行かねえか」「明日、映画行こうよ」など、さまざまに表現できます。原文の英文は同じでも、訳し方によってnuanceは大きく異なります。

以前、アメリカ政府の外交文書を日本の外務省が日本国民に受け入れやすいように訳して発表し、問題になりました。英語から日本語への翻訳は、このように翻訳する側の意図により、読者の受け取り方をかえることも可能です。反対に日本語が原文の場合、語彙が少ない英語で微妙な違いを伝えるのは至難の業です。

日本人の話し方には抑揚がない、また、表情が豊かでないとよくいわれます。しかし、youが、「あなた」「君」「お前」「てめぇ」「やつ」「おぬし」などのように。日本語には豊富な言葉があり、抑揚をつけなくても微妙な表現ができるからとも言えます。日本人が英語を学ぶより、外国人が日本語を学ぶ方が大変に思えます。


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