微妙な英訳は評価される?

[英語の現場からレポート]
2015年11月号の記事より引用

Hiragana Times November issueの「Close up Japan」では、「The Vague Expression “Bimyou” is Yabai” (「微妙」というあいまいな表現は「やばい」) を掲載しました。

これは、文化庁が2015年の初めに行った国語に関する世論調査の結果に基づいた記事です。「やばい」という言葉は、本来は危険が迫ることを表すのに使われますが、現在では若者を中心に「とてもすばらしい」の意味で使っています。従って、状況により”impending danger,” あるいは”very cool”と訳されます。

また、相手と違う考えを言って気まずい空気を避けるために、意見を求められた時などに「微妙」という言葉がよく使われます。「微妙」と言う言葉は英語でどう訳したらよいのでしょうか。決まった訳がないので、どのように訳しても微妙にニュアンスが異なるのは皮肉です。結局、ネイティブの編集者も同意した「I have mixed feeling about it」になりました。

「私的には、そう思います」など、間接語を使い和らげるのも日本人の特徴といえます。これはどう訳したらいいのか。Hiragana Timesでは、”Personally I think so” と訳しました。欧米人から日本人ははっきり自己を主張しないとしばしば批判されます。しかし、このような全体の和を重んじる日本語の文化が広がれば、将来は無用な争いを避けられる日本的思考として逆に評価されるかもしれません。

翻訳はこれまで英語から日本語に訳すことが主でしたが、これからは日本語から英語に訳すことが中心なっていくと思われます。日本語は英語よりはるかに繊細な言葉です。語彙や表現が限られた実務的な英語で、日本語の微妙なニュアンスを表現するのは至難の業です。


Editor in Chief

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Hiragana Times