翻訳は英語力より国語力

[英語の現場からレポート]
2015年4月号の記事より引用

ひらがなタイムズ4月号の「舞台の裏側」の英語のタイトルは「Cherry Blossoms Not Only Beautiful」です。日本語では「桜の花はきれいなだけではない」です。Cherry blossomは「桜」ですが、日本語で桜を表記するときには、漢字でなく「さくら」「サクラ」のようにひらがなで、あるいはカタカナでも表記します。

一般的には漢字で書きますが、ひらがな、カタカナ表記もよくみられます。カタカナは外来語に使われますが、動物や植物にも使われます。「マンガ」のように、これらに該当しない場合にも使われることもあります。決まった表記の規則があるわけではないので翻訳者は迷います。

この記事でいう「きれいなだけではない」は、桜の花のことではなく、やらせの行列のことです。この場合、漢字で書くのか、ひらがなか、カタカナかですが、木を意味する場合は「桜」、やらせの場合は「サクラ」とカタカナで表現しました。「センセイ」のようにカタカナ表記すると、うさん臭いニューアンスが含まれるからです。翻訳に大切なのは、英語力より国語力とよくいわれますが、その通りだと思います。

やらせの「サクラ」にはしっくりくる英訳がないので、イタリックでそのままsakuraとし、fake customersと説明を加えています。Sushiやkimonoのように英語に取り入れられた日本語はたくさんありますが、イタリックにするのが普通です。

英語のタイトルでCherry Blossomの後にareがありませんが、タイトルでは多くの場合、動詞は省略されます。


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Hiragana Times