翻訳は文化の違いから言葉を省いたり、加えたりする

竜自在/ Articulated model of a dragon
高石重義 江戸時代後期、ボストン美術館
Gift of Mrs. W. Donnison Hodges, 63.628
Photograph © 2014 Museum of Fine Arts, Boston.

ひらがなタイムズでは、「Topics & Events」コーナーを設けています。今回は、「東京ワンピースタワー」「クラッシック音楽とさくらの祭典」などを紹介しています。その一つ、「美術で見る日本の近代化」の中に「19世紀後半における日本の絵画、工芸、写真など約150点が楽しめる」という文章があります。

これは英文で次のように紹介しています。「Visitors can enjoy approximately 150 works of the late 19th century Japanese paintings, artifacts and photographs」。この中で日本語にあって英語にないものは、「~など」です。日本語では「など」はよく使われ、etc. やand so onと訳されることが多いです。しかし、ネイティブの英文ではほとんど使いません。

日本のあいまい文化を象徴するような表現の「など」は、明快さを求める英語では違和感があるようです。どうしても必要な場合もありますが、その場合には、including, and othersやand suchなどと訳され、etc. やand so onはめったに使われません。「など」が何を指しているのかにより英訳は異なります。

逆に、日本文になくて英文で付け加えられているのがvisitorsです。日本語では、主語が誰のことかわかりきっている場合は省略して表現します(この場合はvisitors)。しかし、英語ではどんな時も省略しません。

このように、翻訳では言葉通りに訳すのではなく、互いの文化を考慮して訳すのが一般的です。

20150216※Hiragana Times 2015年3月号の記事から引用

<対訳文抜粋>

 

Japan’s Modernization Seen through Art
美術で見る日本の近代化

“Museum of Fine Arts, Boston and Tokyo University of the Arts, Double Impact: The Art of Meiji Japan” will be held at the University Art Museum, Tokyo University of the Arts (Ueno, Tokyo) from April 4 to May 17. It is the first exhibition to focus exclusively on the collections of the Museum of Fine Arts, Boston and Tokyo University of the Arts. Visitors can enjoy approximately 150 works of late 19th century Japanese paintings, artifacts and photographs.

「ボストン美術館×東京藝術大学 ダブル・インパクト 明治ニッポンの美」展が、4月4日~5月17日まで、東京藝術大学大学美術館(東京・上野)にて開催される。ボストン美術館と東京藝術大学のコレクションだけの展覧会は初めて。19世紀後半における日本の絵画、工芸、写真など約150点が楽しめる。


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